3日、岡田翔平が期限付き移籍元である鳥栖へ復帰することが発表された。
今回の決断に対して岡田は、「言葉が出てこないです」と口をつきながらも、ゆっくりと自分の思いを語ってくれた。
昨季は14ゴールを挙げる活躍を見せ、J2リーグの優勝に大きく貢献した岡田。だが、今季は開幕戦こそ出場したものの、その後はけがの影響や厳しいポジション争いの中で、なかなか出場する機会を得ることができなかった。「昨季、自分がチームにもらったモノのほうが大きかったから、それだけにもどかしい半年間だった」と、岡田は今季を振り返る。
今回の復帰は岡田自身、長い時間をかけて決断した結果だと言う。特に湘南のサポーターに対する思いも強かった。「今季は苦しい時期も長かった中で、サポーターが応援し続けてくれたことはすごく嬉しかったし、今季、ここで得点を取れなかったのは本当に心残り」と、サポーターの前でゴールを奪えなかったことを悔やんだ。
そして岡田は曺貴裁監督への感謝も語る。「チョウさんの下でやれて本当に良かったというか、良いときも悪いときもあったが、振り返ってみると自分が成長するためにいろいろと話してくれていた。うまく言えないが感謝しかない。自分がしてもらっただけの恩返しをしたかっただけに悔しい。良くしてもらったことはこの先の人生でも忘れられない」。
この日(4日)、練習場には岡田の最後の姿を見ようと多くのサポーターが駆け付けた。その一人ひとりと挨拶をかわしながら、涙をにじませていたのは印象的だった。最後は、一番印象に残っていることに「最初の試合で自分の歌を唄ってくれたこと」と語る、大好きな自分のチャントをサポーターに唄われながら、岡田は鳥栖での活躍を心に誓い、練習場をあとにした。
(湘南担当 林遼平)
2015/08/05 11:14