3-1で勝利した明治安田J2第2節の大宮戦。試合後のミックスゾーンでは、茂庭照幸が、同点に追いつかれた84分以降のパウロ・アウトゥオリ監督の采配について、「あれはすごい。素人目線では、勝ちに行くためには攻撃的なカードとして順平を出す。まだ出さないのかな、と思っていたら得点が入った。そしたら俺が呼ばれた。監督は先を見ていたんだな、と。俺も指導者を目指す上で、この人の考え方はすごく勉強になる」と唸った。
この時間帯、アウトゥオリ監督は楠神順平をピッチに送るべく準備していたが、同点となったことで投入を控える。直後に玉田圭司の決勝点が生まれると、今度はすかさず白沢敬典通訳を呼び寄せ、茂庭を投入して試合を締めた。
17日の練習後、一連の采配の意図をアウトゥオリ監督に確かめると、「これまでにもああいう状況はあった。采配の決断は経験から来る部分もある。順平は同点になる前から準備していたが、同点となった状況で避けたいのは、オーガナイズを崩すこと。順平を入れれば攻撃的にはなったが、バランスを失う側面もある。そうなると逆に相手にやられてしまう。冷静に戦うことも必要。最後の最後で勝負が決まる試合もたくさんある」と解説してくれた。
「何より、勝利をつかめたのはゴールを決めてくれたタマ(玉田)の実力。あのFKはスーパーだった」と殊勲の玉田を称えることも忘れなかった指揮官だが、勝利の裏には、長年の経験則から来るアウトゥオリ監督の采配もあった。
(C大阪担当 小田尚史)
2015/03/17 17:33