選手にはいろいろなタイプがいる。選手というよりは人間性、性格の話かもしれない。柏木陽介はどうか。普段は明るく無邪気だが、「ネガティブなところが昔からあるから、自分に対して」と苦笑する。
どうしてそんな話題になったのか。第32節・G大阪戦(0●2)のことである。優勝が懸かった試合での敗戦について「切り替えているつもりではいるけど」と言うが、そうもなり切れない。「何でこんな勝てへんねん、持ってないな、とか、自分に対してネガティブなことを感じた」と率直に話した。だが、自身がネガティブなことも理解しているし、「それで這い上がってきた」自負もある。
3年前もそうだった。チームが残留争いをする中、「残り2試合で連続ゴールを決められた」。そしていま、その再現を狙う。「残留するための点を決められたことを思って、じゃあ今後は優勝するために点を決める。そういう選手になりたい」。ペトロヴィッチ監督就任以降、チームの中心であり続けた柏木。前節の敗戦を乗り越え、29日の第33節・鳥栖戦でチームを勝利に導く活躍ができるなら――ネガティブもそう悪くない。
(浦和担当 菊地正典)
2014/11/27 18:43