11月30日、本城のサブグラウンドで、今年最後の練習が行われました。10時からのスタートを待つサポーターやファンが、私よりも先に監督や選手の登場を待っていて、今日が本当に最後なんだと、あらためて感じました。
練習内容は軽いものでしたが、最後に行われた紅白戦は、今週末に試合があるのではないかと思うほど、熱気に帯び、三浦監督も、いつも通りに真剣に、選手たちに指示やアドバイスを与えていました。
約40分間の練習が終わると、監督、選手、スタッフは1列に並び、平日にもかかわらずに来られた見学者に一礼。本城は、温かい拍手に包まれました。そこには、今まで見たことのないほどの人の数。5~60人はいたのでは、ないでしょうか?
シャワーを浴びた選手たちは、最後のミーティングを行うと言うので、われわれ取材陣はいったん外で待機。30分くらい待ったでしょうか? 中から出て来た選手たちの多くが、目頭を押さえ、顔を隠すように出て来た時、私はそれを正面から見ることができませんでした。
後の、三浦泰年監督の囲み取材。監督の目も真っ赤だったのは明らかでした。
聞くと、今年1年の試合のDVDをスタッフが作成し、見ていたとのこと。そして、最後まで、自分の手腕よりも、選手たちのおかげで、ここまでやって来られたこと、多くの北九州の人たちに支えられて2年間監督ができたことに対して「本当に、ありがとうという言葉しか見つからない」と感謝の言葉を述べ、取材が終わるはずでした。
しかし、私の隣にいたNHK北九州の垂水千佳アナウンサーが、「坂本さん、アレ聞かなくて良いの?」という、まさかのむちゃぶり! 「このタイミングで?!」と、困惑する私の顔を察して、三浦監督も何でも来いよというような、見たことのないような笑顔で、私を見つめています。(にらんでは、いませんよ!)
「監督、もうすぐ北九州を離れると思いますが、最後に北九州で食べたいものは何ですか?」
三浦監督は即答で「旦過うどんの、肉ごぼう天うどんだよ」と答えてくれ、最後の囲み取材は終わってしまいました。
三浦監督は、本当にギラヴァンツ北九州というクラブを、市民に浸透させようと奮闘し、自らもこの街に溶け込むために努力しようと、真っ正面で向き合っていたんだと、あらためて感じながら、本城を後にしました。
(北九州担当 坂本真)
2012/12/01 01:23