27日に行われた天皇杯3回戦・広島戦。水戸は後半主導権を握りながらも、ゴールを奪い切れず、0−1で敗戦を喫した。これで公式戦7試合勝利なし。チームにはもどかしい空気が覆っている。
それを感じさせたのが広島戦後の光景だった。アウェイまで駆けつけたサポーターに選手があいさつに行ったところ、サポーターから厳しい言葉が飛んだのだ。それを聞いた柱谷哲二監督は激怒し、スタッフや選手の制止を振り払い、サポーターのもとへ行き、「今日は(中2日でJ1王者相手に善戦した)選手たちを褒めてやってくれ」と反論。アウェイ側スタンドは騒然とした雰囲気となった。
29日の練習後、そのことについて触れると、柱谷監督は「普通のことですよ」と平然とした表情。「だって、これだけ勝てなかったらサポーターだって言いたいことがあるでしょう。それを言われるのは当たり前ですよ」と語った。だが、「そのぶん、俺も言いたいことを言うよ。サポーターも俺も面と向かって言いたいことを言い合う。それが正しい関係だと思う。でも、忘れないでもらいたいのはお互いに力を合わせて良いモノを作っていこうということ。そこを分かっていてさえすれば、まったく問題ない。この間も面白かったですよ」と軽い笑みを見せた。
実に器の大きな指揮官である。
(水戸担当 佐藤拓也)
2014/08/29 19:16