残留に向けて必勝が義務付けられたホーム最終節、チーム全体が低調なパフォーマンスに終始した中、家長昭博選手だけは、持ち前のメンタルの強さを発揮しました。泥臭さは無縁だったはずの天才アタッカーは、このところ明らかに、チームのために戦う姿勢を打ち出しています。引き分け以下の場合、降格の可能性があったFC東京戦前日、家長選手は「チームのために、僕が厳しい所で体を張ってボールを受けたい」と静かに闘志を燃やしていました。
もちろん、タメだけでなく、松波正信監督が従来から求めているのがフィニッシュに絡む動き。レンタルで復帰当初は「点を取るだけが全てじゃない」と相変わらずの「オレ流」を公言していましたが、今では「点を取ることが一番(アピールで)分かりやすい」(家長選手)。その言葉通り、立ち上がりから積極的にゴール前に飛び出し、川崎戦に続く2得点。松波監督がノルマに課した計5得点は達成した格好になりました。
そんな背番号41の活躍を祝福したのが、敵将のランコ・ポポヴィッチ監督です。大分時代の師弟関係でもある家長選手について「2失点したのは残念だが、家長にはおめでとうと言いたい」と素直にシャッポを脱いでいました。
(G大阪担当 下薗昌記)
2012/11/27 14:41