いくつかのミスが重なることでゴールネットは揺らされる。つまり、失点はGK一人の責任ではない(安易なミスを除き)。だが、責任感がなくては務まらないポジションだけに、消化できない思いもあったはずだ。
「周りからは(前々節の山形戦で6失点したのは)仕方がないと言われたけど、自分の責任で6失点したと思っていた。切り替えるのは大変だったけど、試合は待ってくれないので」と鈴木智幸は言う。
大敗後に迎えた前節の大分戦(4○0)では、「自分を見失わずに、冷静にプレーできた」と本人が述懐するように、何度も絶体絶命のピンチを防ぎ、味方の追加点を呼び込んだ。その安定感は抜群で、ピンチに陥っても「しのいでくれるだろう」と思わせるだけのオーラを発していた。
ゴールに君臨する守護神の仕事を果たしたGK鈴木智は、「(山形戦は)1年(の課題)がギュッと詰まっていた。良い経験になった」と話し、己と課題に真摯に向き合ったことで一回り大きくなった。
(栃木担当 大塚秀毅)
2014/06/19 17:47