「雨降って地固まる」という訳ではないのだが、試合中は我慢していた上空も、試合後のセレモニー時には小雨交じりに・・・。
ホーム最終戦となった富山戦は、試合終了間際、竹内の2試合連続のゴール、2試合連続の無失点でホーム連勝を飾り、この日、本城に集まった多くのサポーターとファンに、サッカーが本来持つ楽しさと美しいゴールにより、チームは勝利をプレゼントできた。
試合の前には来季の新ユニフォームが披露され、リーグ戦はまだ残り1試合残っているが、少しずつだが来季への始動が始まった北九州。コールリーダーでもあり、8月に行われたアビスパ福岡とのダービーを満員のスタジアムで選手たちに戦ってほしいと立ち上げた、「本城満員計画プロジェクト!!」の責任者でもある染岡勇輝さんは次のように語った。
「今季の成績には、ある程度満足はしているし、アビスパ福岡の試合では活動の結果も出たし(今季最高の7,637人)、チームも勝利で応えてくれた。それだけに、これからってときのライセンス問題の発表が、チームの士気にも、新規の観客獲得にも悪影響を与えてしまったのは、本当に残念で仕方がない。上に行けないのは分かっていたことなんで・・・」
その後、チームは水戸と松本に連敗を喫し、このままズルズルと行くと思われたが、何とか踏みとどまり、富山戦の勝利で昨年の勝点を上回った。
「選手たちは、しっかり北九州の看板を背負って戦ってくれている。その思いに応えるためにも、俺らは自分たちができる活動は続けるし、試合中は90分間応援し続ける。自分たちは長い目で見ているので、クラブにはもっと危機感を持ってやってほしいし、選手たちが集中できる環境を作ってほしい」と、クラブへの要望も語ってくれた。
今季、ホーム・本城で行われた21試合、結果は9勝9敗3分け。得点も失点も共に26。前半はホームでなかなか勝てず、負けが先行していたが、イーブンまで戻せた。しかしながら、アウェイにもかかわらず、ホームのような声援を送り続け、選手に力を与えた松本のサポーターのように、われわれは彼らの本当に力になれたのか?ホーム最終戦を終え、やり残したことばかりで悔いだけが残った。
上で紹介した「本城満員計画プロジェクト!!」も次のステップへと歩み始めた。セレモニーで三浦泰年監督が、「ギラヴァンツ北九州は、ビッグクラブになる可能性を秘めている」と話したように、まだまだ地域に眠った滞在能力を生かしきれてはいない。「ギラヴァンツを北九州のシンボルに」という挑戦に、私たちは正面から取り組まなければならない。
この冷たい雨が、そう教えてくれているような気がしてならない。
(北九州担当 坂本真)
2012/11/07 14:00