第30節・川崎F戦は、ドローという結果でした。必勝を期したホーム2連戦の初戦だっただけに、試合後のミックスゾーンでは、選手たちの悔しさをにじませた表情が印象的でした。ただ、アクシンデントやビハインドを乗り越えて持ち込んだドローには、大きな価値があります。その辺のところを踏まえつつ、30日、西野監督にお話を伺いました。
結果は引き分け。ただ、アクシデントやビハインドを乗り越えたゲームでしたが?
「いろんな見方がありますよね、勝ち切れないとか。今は内容よりは結果が欲しい状況でもあるし、悪くてもポイント3が取れればとも思う。ただ、そう一気には行かないし、いろんな流れを1試合1試合、つかみ取ってるな、という感じはします。そういう姿勢というか、ゲームに対するアプローチを続けていければいい。(川崎F戦は)流れによっては、5~6点入っててもおかしくなかった。良いシーンも多かったですし、ポゼッションもあの川崎を上回って50パーセント以上。実感としてもあるし、決して悪い内容ではなかった。また、いろんな可能性を探りたいなと思いますね」
田代選手と都倉選手の2トップが躍動しましたが?
「今までも、札幌戦しかり、終盤に併用して起用したことはありましたけど、流れ自体は良かったですし、時間を延ばした中でも悪くなかった。新しいオプションも増えてると思う」
今週末のリーグ戦はなく、来週水曜日に第31節・横浜FM戦が控えています。イレギュラー気味の日程ですが、この期間をどう捉えますか?
「プラスと考えたいですね、今の状況を考えれば。戦力をもっと膨らましていかないといけない。たかが3日ですけど、増えてるのは(プラスと考えて)。(選手には)オープンにしていないダメージがたくさんあるので、有効に使いたいなと。またアウェイ戦になっていく。次のホームは『1』をもぎ取るだけでは足りない、なんとしても『31』をもぎ取らないといけない。みんなタフに戦ってると思うので、間違いなくそれに近いゲームはできると思います」
この終盤戦、残留をかけた猛烈なバトルが繰り広げられますが、神戸もまた、強い闘争心を養っています。結束する強さを感じさせてくれた前節のように、戦ってくれることでしょう。
と、ここで朗報です。
川崎F戦で負傷した吉田孝行選手ですが、ミックスゾーンに現れたときは、失意のどん底感もみなぎらせていました。もしや、大きなケガでは・・・と、周囲の喧騒は大きかったのですが、それは吉田選手も同様でした。ただ、離脱は免れませんが、ホッと安堵(あんど)といったところのようです。
「いやあ、本当に良かった。手術、覚悟してたんですよ。最悪を想定してたんで。なったときは本当に歩けなくて。『これはアカンわ』って。昨日からやっと良くなってきたんです」と30日、クラブハウスからできてきた吉田選手。
「東京はギリギリどうかっていうところですけど、柏はおそらく行けますね」。
また、同じく負傷交代した相馬選手は、「大丈夫です」と一言。西野監督によれば「(交代で)回避したので、状態は厳しくはない」とのこと。次節の出場は難しいかもしれませんが、大事ではなかったことは不幸中の幸いでした。
(神戸担当 小野慶太)
2012/10/31 13:49