「栃木県にプロサッカークラブを存続させる会」(募金活動)の開始を受け、5日に栃木県庁で記者会見が開かれた。会見で中津正修代表取締役社長(写真左)は、クラブの債務超過額が今年度前期決算の時点で5,600万円に上り、今年度中にさらに増加する可能性があると明かした。それと同時に水沼富美男代表取締役副社長(写真右)から来年度は黒字に転換する見込みであるとも説明があったが、そのためには経費削減をはじめとした、クラブ自らが身を切るような努力が必要となる。
そしてもちろん、黒字転換イコール債務超過の解消とはならない。これまでに累積した5,600万円(プラス今年度後期決算での赤字)の債務超過に関しては、今後クラブとしてさまざまな方法で解消に向けて動いていく。2015年1月31日のクラブライセンス審査より債務超過の解消がライセンス取得のための必須条件となるため、それまでの残り約1年が栃木に与えられた猶予となる。
財務状況に関する説明はおおまかに言えば以上のとおりだが、コストカットをしていく上で避けられないのが人件費の削減であり、それはすなわち選手たちの契約にも影響するということである。チームは現在、上野佳昭強化部長を中心に来季へ向けた編成を検討している段階。水沼副社長は「戦力を下げないように努力をしながら取り組む」と語ったものの、今季ほどの戦力を継続して保持していくのは実際問題として難しいだろう。
(栃木担当 片村光博)
2013/11/05 20:32