九州ダービーとなった34節、熊本は吉井孝輔、齊藤和樹の2ゴールで大分をくだした。この試合、33節の水戸戦で表現できなかった要素、高木琢也監督いわく「サッカーの素」の部分、すなわち球際の強さ、切り替えの早さ、セカンドボールへの寄せなどをテーマに臨んだ熊本。
実際、そうした部分は開始直後からプレーにも表れており、球際の勝負では大分の田坂監督をして「気持ちで負けていた」と言わしめたほどだった。
ただ、そうしたボディコンタクトが非常に多かった分、ファウルなどでプレーが切れるシーンも少なくなく、特に先制点を挙げたボランチの吉井は、試合中に相手との接触で倒れる場面がしばしば。前半のうちに左まぶた付近を切って出血し、バンデージを巻いて再びピッチに戻る等、ゲーム自体の雰囲気も大変緊迫したものになった。
一方で、そうしたゲームの雰囲気を、自らが好むイングランドのプレミアリーグに例えて「楽しんだ」と振り返ったのは熊本の高木監督。ダービーとあってお互いに激しいプレーが多くなることをふまえ、2トップの組み合わせやボランチ、サイドバックにも「球際に強い」特徴を持った選手をチョイスし、見事に采配が結果につながった格好となった。
次節も福岡を迎える九州ダービー。大分戦に続いて「同じような雰囲気になると思う」と高木監督も話しているが、果たしてどうなるか。
(熊本担当 井芹貴志)
2012/09/19 13:12