試合開始直前の雨で大銀ドームの屋根が閉まり、この日のピッチはキックオフ前から、まさにサウナのようでした。芝の様子を見に出てきた両チームの選手たちが早くも「暑い…」と厳しい表情を見せるなか、富山の福田俊介選手は一人「いや、今日は涼しくなりましたよね♪」と笑顔です。その耐熱性(!?)が効いたのか、福田選手は40分、ストロングなフィジカルにものを言わせた見事な同点ヘッドを大分ゴールに突き刺しました。
しかし、先制点を挙げた大分の三平和司選手も負けていません。自ら放ったシュートが弾かれたところへ再び詰めてネットを揺らしたあと、期待のゴールパフォーマンスは、おぉ、バロテッリ! …と思いきや、途中でやめちゃいました。実はこれ、前日のJ1第16節、川崎戦で神戸の都倉賢選手が見せたバロテッリ・パフォーマンスを下敷きにしたネタだったのです。警告覚悟でユニフォームを脱いだ都倉選手でしたが、三平選手は「思わずバロテッリの真似をしようとした瞬間、自らの体が都倉選手とは違って貧弱であることに気づき、直前で脱ぐのを思いとどまる俺(※註)」というところまで演じてみせてくれたのでした。さすが現在のチーム得点王、役者ですねぇ…でも細かすぎて伝わりづらいって(笑)。
4連勝中の大分と4連敗中の富山が同じシステムでぶつかりあった一戦は、1-1のドロー。連勝は止まったけれど混戦の妙で3位に浮上した大分と、連敗を止めてここから巻き返しを図りたい富山。それぞれの立場で、次に繋がるものを手にしたのではないでしょうか。
試合の翌日、大分の練習場に、富山の安間監督の姿が。試合後会見で質問したことを覚えておられたようで、関東大学リーグの後輩である田坂監督のことを気遣って「ター坊を応援してやってください」と声をかけてくださいました。が、いまは負傷離脱者続出の富山こそ苦しい状況。ライバルチームながら、どうか早く戦力が復帰して、いいコンディションで戦えるようにと願わずにはいられません。
予報によると今年は梅雨明けが遅いそうです。蒸し暑さで芝のコンディションもよくありません。どうかケガせず、体調も崩さずに、まだまだ続く烈しいシーズンを乗り切ってほしいと思います。
※)三平選手のバディが本当に貧弱なのかどうかは未確認です。
(大分担当 ひぐらしひなつ)
2012/07/05 17:06