古巣相手に勝利1歩手前まで迫りながら、2-2のドローに終わった前節の山形戦。
試合を振り返って小林伸二監督は、「前半は、ボランチも前向きに絡めて厚みのある攻撃はできたんだけどね。ただ、後半の攻撃はね。(ドウグラスは)カウンターで持ち運ぶ力はあるんだけど、最後に何もできない。そこの判断力が足りない。走る力はあるけど、戦術眼が足りない。“いつ、どこで、誰を使う”という状況判断がない。前に行った時にムリなら一度戻したり。取られることが一番よくない。出たボールに走る力は非常に高いけど、その力をチームに生かすことを考えないと。能力は高い選手なんだから、“こういうところを少し変えれば、もっと良くなる”というところに気が付かないと。経験ですかね。おいしいところをもっと経験すれば違うのかな(笑)」。まずは、後半、仕留め切れずに相手の逆襲を食らって失点に繋がったドウグラス選手に苦言を呈しました。ドウグラス選手については、能力の高さは小林監督も認めているだけに、最後のプレーの繊細な精度に対して要求する部分も必然的に高くなります。
守備についても、「2点を取った後、守備のアプローチも甘くなった。受けてしまった。ちょっと、もったいなかった。もっとボール保持者にバチっといかないと、後ろのラインも上がらない。山形の中に入ってくる選手を自由にやらせ過ぎた。いろいろ選手が出入りしてきたけど、まずはボールに行かないと。中盤の選手は真面目に帰って来ているんだから、後の選手が押し出して、前にいかないと。ずるずる下がってしまう。頭では分かっているんだろうけど、後半動きが落ちると、アプローチに行けなくなる。ブロックを作ってOKじゃなくて、3ラインをコンパクトにして、入ってきたボールに行ける距離感を常に意識しておかないと。GKを含めてDFのメンバーも変わっている中で、できている部分はあったんだけどね」と、後半は“ボールに行けなくなった”ことを強調していました。
2失点目に繋がったPKを与えたキム・ジョンミン選手については、「えらいことになったね(苦笑)でも、キムは少しかわいそうだったね。ボールの軌道も目で追っていたし、故意に手を使ったわけではなく、肩に当たったあとに手にも当たっている感じだからね。あくまで体の一部に当たった、という感じ。1発レッドはどうなのかな、とは思う。得点機会阻止と見られれば、レッドになるのも仕方ないけど…」と、話していました。
週末に行われる天皇杯2回戦については、「相手はファジアーノ岡山のネクストなので、トップと同様タフに戦ってくる。天皇杯に出る地方のチームは世の中にクラブの存在感をアピールできるチャンスと捉えている。選手もチームもモチベーションは非常に高い。きっちりやらないと、足元をすくわれるよ、と。そういう話はきょうのミーティングでもした。ウチも勝てばJ1の川崎とできるけど、われわれがJ1と対戦する時に持つモチベーションを、今回は相手が持っている」と引き締めていました。
(徳島担当 小田尚史)
2012/09/07 17:59