30節・松本戦は1点ビハインドの状況で迎えた終了間際に久保選手がPKを獲得。しかし久保選手が自らが蹴ったPKは、この日大当たりだった松本のGK白井選手に止められてしまい、チームは敗れてしまいました。今季の京都が得たPKはこれが2度目。1度目は17節・富山戦で、中村選手がキッカーを務めて成功しています。今回は「“蹴るわ”って言ったら、あいつ(久保)が“行かして下さい”って言ったので譲りました」(中村選手)というやり取りを経て久保選手がキッカーを務めることになりました。
結果的に勝敗に大きく響いたPK失敗となってしまいましたが、ここでは試合後の工藤のコメントを紹介したいと思います。「僕はあの場面でPKを蹴りに行くのはすごいと思います。やっぱりストライカー、強い気持ちを持っているんだなと。今回は外したけれど、またチャンスは来るし、まだまだ若い選手だから。次、ああいう場面が来ても『僕はちょっと……』と言うんではなく『また蹴らせろ』という(久保)裕也を見たいです」。
そのコメントを翌日に紙面で見たという大木監督は「もちろん勝たないと行けなかった」と前置きした上で「ああいう話が出るのはすごくいい。お互いがお互いを思い合っているね。試合が終わってから取材を受けて帰るまで、そういう雰囲気でいてくれたことが俺は嬉しいよ。これからも、そういう形で戦ってくれればいい」と話していました。
たしかにあの場面でPKを決められなかったことは非常に痛かったし、キッカーの人選も含めて今後に生かすべき部分はあると思います。それとは別に久保選手が、またPKの場面で蹴ろうとする意志を持つのかどうか。
海外の話になりますが、先日のプレミアリーグ開幕戦でWBAのロング選手は自身のプレーで2度PKを獲得し、一度目のPKを自ら蹴って失敗した後、2度目のPKはチームメイトが蹴って成功させています。一方で1999年のコパ・アメリカでは、アルゼンチン代表のパレルモ選手が1試合で3度PKを蹴って3度とも決められなかったというケースもありました。
もし京都で今季3度目のPKが訪れた時のことを想像しながらこの文章を締めたいと思います。
(京都担当 雨堤俊祐)
2012/08/26 13:40