第12節・新潟戦で今季初勝利を遂げた大分。これを機に一気に巻き返したいが、その“予兆”となりそうな事件が起きた。それは40分に自身のプロ初ゴールで先制点を挙げた若狭大志の、試合後取材での一言。
「喜び方がわかりませんでした!」
これは08年4月16日、東北電スで行われたナビスコカップ新潟戦で、アディショナルタイムに同点弾を決めたCB小林宏之が言ったのとまったく同じコメント。小林は4季ぶりのJ1出場・J初得点で、これにより新潟は08年公式戦初勝利をつかみ損ねた。この後、大分は勢いに乗りナビスコカップを制覇している。
この偶然の重なりに鳥肌を立たせる記者に気づきもせず、「(高松)大樹さんやトキさん(土岐田洸平)はゴールパフォーマンスがカッコいいじゃないですか。俺は高校生みたいな喜び方をしちゃった」と無邪気に話す若狭。あの日の小林を知る由もない男が、伝説の台詞で反攻の狼煙を上げた。
(大分担当 ひぐらしひなつ)
2013/05/21 16:17