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「天野さん、走りますか」。MF梅崎司がそう声を掛けると、クラブハウスに引き上げようとしていた天野賢一コーチは思わず「え？」と声を上げた。それもそのはず、天野コーチはすでにDF濱田水輝とMF青木拓矢、さらにMF関口訓充と2組と一緒にランニングをしたあとだったからだ。

　しかし、すでに汗びっしょりの天野コーチは断るどころか、「よし、じゃあ35分も走れるな」。これには梅崎も「ポジティブ」と笑った。そして2人は梅崎が飲んでいたプロテインとアミノ酸についてのトークを繰り広げたあと、誰もいないグラウンドへ走り出した。

　天野コーチは若手選手や出番の少ない選手と話をしてアドバイスを送るだけでなく、全体練習後の居残り練習にも積極的に付き合い、時に人数が足りない際にはゲームにも参加して選手に負けない軽快な動きを見せる。選手から絶大な信頼を受ける天野コーチ。彼もまた、首位を走るチームを支える欠かせない人物だ。