
7日、川崎市コンベンションホールにて、「11人制eサッカースタジアム-車椅子イレブンがプロサッカー選手と創る『新しい景色』」が行われ、川崎Fの小林悠が参加した。
5年前、川崎Fの選手たちが地元の商店街めぐりをしていた際に小林と一緒に写真を撮ったのが、当時高校生だった石井健瑠さん。脳性麻痺で車椅子生活を送っているが、「車椅子で生きていると、いいことがあるんだ」と感銘を受けた。
たけちゃんこと石井さんは、昨年に結成された車椅子eサッカーチーム「ePARAユナイテッド」のメンバーだ。チームが2シーズン目に突入したこのタイミングで、縁のあった小林悠も加わって本イベントが行われた。
一人が一人を操作する『EA SPORTS™ FIFA 23』のプロクラブモードを使用。今回はCPUと対戦した。システムは川崎Fもおなじみの[4-3-3]だ。小林悠は1トップに入る。
1試合目は攻め込みながらもなかなか点が決まらず。33分、39分と失点して、0-2と敗戦。気を取り直して臨んだ2試合目も先制を許す展開となったが、40分に小林が右サイドから持ち込んで左足で決めて同点とする。60分にはクロスに小林が合わせて逆転すると、さらに2点を加えて4-1で勝利した。小林はゴールを決めるごとに立ち上がって喜び、「めちゃくちゃうれしい」と笑顔。徐々にチームワークも生まれ、「初めてのeスポーツだったが、その素晴らしさを感じた」と小林も感激していた。
片手でプレーする者、足で操作する者…。全員がなんらかの障がいをもつ。中には、前日に退院して参加することができた者もいた。その全員が前向きで、チームとしてプレーしていた。「みんなが一つになって遊べた。障がいがある、ないは関係なく、みんなで一つのことをやるというのは素晴らしいこと。感動した。今度は自分がサッカーで元気や勇気を与えられたらいい」と小林。また、「次はフロンターレの選手たちや、ほかのJリーグのチームの選手たちでもいい。いろいろと考えていきたい」と話すと、会場は沸いた。
今後の展開にも注目だ。
(川崎F担当 田中直希)
2023/02/08 02:27