東京Vは4月21日、JFAハウスにて『SDGs²スタジアム2021キックオフトークセッション 』を開催し、メディアに公開された。
SDGsとは『Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)』の略であり、15年9月の国連サミットで採択された、国連加盟国が30年までに達成するために掲げた17の目標だ。その中には「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」「質の高い教育をみんなに」「ジェンダー平等を実現しよう」などがあり、東京Vはホームタウンで『スポーツ&SDGs普及活動』を積極的に実施してきた。
5月5日には、AGFフィールドにてSDGsの認知度アップやさまざまなパートナーとの協働を目と機とした『SDGsスタジアム2021』が実施される。そのプレイベントとしての、今回のトークセッションだった。
トークセッションは2部構成で、1部の『スポーツ界から変えていくジェンダー平等社会』にはWEリーグ理事の小林美由紀理事、ヤンセンファーマ株式会社広報担当リードの岸和田直美氏、Jリーグ社会連携室室長の鈴木順氏、フレスコ・キャピタル ベンチャー・パートナーの鈴木絵里子氏、そして東京V普及部SDGsヴェルレンジャー隊長の中村一昭氏が登壇し、各業界の観点からトークを行った。小林理事はWEリーグの設立過程や、チームに関わるうちの半数を女性にするなどの規定について説明し、各界の参加者から感嘆の声もあがった。
第2部では『スポーツを通じて実現するノーマライゼーション社会』についてトーク。日本障がい者サッカー連盟会長の北澤豪氏、スポーツ庁障害者スポーツ振興室室長の助川隆氏、それにパラトライアスロン選手でパラリンピック4大会に出場経験のある木村潤平氏もオンラインで参加。闊達な意見を交換した。助川氏は「障害がない人はスポーツをしなくていいが、障害をもっている人はスポーツをしなければならない」という声も紹介している。
会の総括として、元東京V主将でもある北澤氏は「わがヴェルディが先頭を切ってこの活動をやってくれるのがうれしい。自分がプレーしていた時代は“強さ”が特徴だった。だがいまのヴェルディは、16競技をもちながら、スポーツを選べる。つまり、世の中に必要とされることを取り入れている。われわれだけでは考えきれなかったことが、チームを組むことで発信できている。スタジアムに行けなかった人も行けるようになったり、ジェンダーレスにしていくことで、サッカーファミリーが増えることにもつながる。スポーツでそうした問題解決につなげられるような、期待感のある内容だったと思う。東京五輪、パラリンピック、高齢化社会を控える日本にとって、こうした形こそユニバーサルデザインになっていくのではないか」と話した。
※イベントは新型コロナウイルス対策を万全にした上で行われた。写真撮影以外ではマスク着用のもと、トークセッションがおこなわれた。
写真:田中直希
(東京V担当 田中直希)
2021/04/21 14:34