「僕たちはサポーターの皆さんに支えてもらっていてプレーできているという立場。いま試合はできないですけど、また再開したときにプレーでしっかりと恩返しできるようにしたい。それが僕たちにできることだと思います。だからこそ、いまはこの期間の練習を大事にしたい」
新年度初日に再開したチーム練習。選手会長・大野はこう語った。
延期に次ぐ延期。現時点で再開初戦は5月11日となっているが、先行きは不透明だ。「メンタル面をずっと維持するのは難しい部分もあった」という大野の言葉はアスリートとしての本音だろう。それでも、雨の中で行われたこの日のトレーニングが活気に満ちていたように、湘南の選手たちは歩みを止めることなく、前を見ている。
「われわれはもともと今季の目標として『GET3』という話をしていて、それは練習試合を含めて1試合1試合というところで、そこに向けて毎週やっていこうと。やっぱりこういう時期は目の前のことに集中すること。あまり先を見るというよりも、まずは今週ということを大事にしようと話をしている」(浮嶋監督)
「ある意味で割り切ったというか、いまのところは日程も決まっているし、やるべきことは変わらない。僕たちはまた1日1日を大事にしてやっていくしかないし、それはみんな分かっていると思うので、モチベーションを落とさずにやっていきたい」(大野)
そしてこの日、大野が繰り返した言葉がある。「できることはやっていきた い」。それは、クラブとしてあらためて意識を高めた“コロナ対策”についてだけではない。
大野は考えた。サポーターのためにいま、何ができるか。そこで選手会長としてサポーター交流を率先し、クラブSNSを活用することで積極的に発信を行っている。日替わりで選手2人が担当するインスタライブは、サポーターからも大きな反響を得ているようだ。
「いまはサポーターとも少し距離が離れてしまっているというか、なかなか会えないという状況なので、その中でできる限りの交流をというのは考えている。このご時世なので、どこまでできるか分からないけど、引き続きできることはやっていきたい。またそれで『ベルマーレを応援したいな』と思ってもらえるように、最低限のことなら少しはできると思う。一番はまたピッチで活躍して勝つことだけど、できることはやっていきたい」
「僕たちのやるべきことは変わらない」と大野。いま、できること――。ピッチ内外でそれぞれが意識を高め、湘南は再開のときを待つ。
※インスタライブは期間を延長し4日(土)まで実施予定。配信は湘南ベルマーレ公式Instagram:「https://www.instagram.com/shonan_bellmare/」
写真:林口翼
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(湘南担当 林口翼)
2020/04/01 18:19