29日、新潟はDF富澤清太郎の今季限りでの契約満了を発表した。
富澤は報道陣の取材に対し「その時がきた。そういう世界」と静かに受け止めた。今後については、「まだ体は動く。次の縁を楽しみにしたい」と現役を続ける意向を示した。
17年に千葉から新潟へ加入。センターバックとして、昨季は明治安田J1で24試合、今季はJ2で20試合に出場した。常に心身を研ぎ澄ませ、ここぞの場面を見極めてボールを奪いきり、正確なフィードで攻撃を後押しした。またどんな状況でも心を平静に保ち、試合を落ち着かせる役割も務めてきた。
試合で傷んでも、次の試合までにはコンディションを整えてピッチに立ち続けてきた。だが今季は一時6連敗するなど苦しい戦いが続き、「選手生命がやばい」と思うギリギリのところまで身を捧げてきた中、すぐには回復しきれないダメージを受け、終盤はメンバー入りの機会を減らしていた。
新潟での2年間、サッカーにすべてを捧げるプロフェッショナルとしての姿勢を、若手選手に示してきた。川口尚紀や原輝綺、昨季共にプレーした小泉慶(柏)とは体幹トレーニングなどを行ってきた。川口が試合に出られない時期には、「腐るな」と言い続けた。今季、リハビリ組で多くの時間を共に過ごした原とは、サッカーについて真剣に話しこむことも多かった。「伝えられることは伝えてきた。いい背中を見せられるのが男としての理想。俺は自分らしくやってきたし、何か感じてくれていたらうれしい」とふりかえりつつ、「尚紀も輝綺も慶も、ステップアップしてくれてよかった」と目を細めた。後輩の成長は、一つの存在の証となる。
30日は、新潟の今季最後の最終日となる。別メニューの可能性もある富澤だが、最後のファンサービスに現れる予定だ。
写真:野本桂子
(新潟担当 野本桂子)
2018/11/30 12:41