19日、C大阪はユン・ジョンファン監督と今季の契約満了後、来季の契約を更新しないことで合意したことを発表した。翌20日、舞洲での練習後に囲み取材に応じた同監督の一問一答をお届けする。
――昨日、契約満了による今季限りでの退任が発表されたが、率直な気持ちは?
「何て言えばいいんですかね。仕方ない部分もあると思います。この世界はそういう世界なので。途中で終わったわけではなく、契約満了。クラブの判断を大事にしないといけないし、(監督は)やりたくてもやれる世界ではないので、仕方がないです」
――昨季より成績を残せなかったことに責任も感じている?
「今季はクラブとして『4冠を目指す』という話もあった中で、それを一つも達成できなかったことが、よく思われていないのかもしれません。(契約を更新されなかった)理由は、僕よりもクラブに聞いてもらったほうが、より明確だと思います。ただ、この前も話したように、チームをまとめ切れなかったことは自分の責任です。何があっても、監督はチームをまとめないといけないし、結果を出すためには、そこをもっと大事にしないといけなかったと思います」
――まだリーグ戦2試合が残っていますが、あらためて、監督がこのクラブに伝えたかったこと、植え付けることができたと思うことは?
「昨季はすごくいい雰囲気でタイトルも獲れて、いい成績を残したけど、どのチームも(結果を残した)翌年は相手から研究もされるし、自分たちに慢心も生まれます。それを避けるために、強く言うこともありました。その結果、J1に残留できたことは、選手たちがそういうところを乗り越えてくれたのだと思います。さらに来季はよくなると思いましたけど、それはクラブが判断することなので、何とも言えません。チームを作るには、時間がかかると思います」
――鳥栖を率いていたときも、J1昇格1年目に5位と躍進したあと、翌年は12位に下がり、さらにその翌年は首位に押し上げた経験もあるだけに、監督自身の気持ちとしては、来季も指揮を執りたかった?
「来季はもっとよくなると思っていました。鳥栖のときも、そういう経験はあったので。今季は我慢して上位にいることで、来季はもっと自信をもって戦えるチームを作れると思っていましたけど、こういう判断になって、こういう状態になったことは仕方がない。心残りもありますけど、何度も言いますけど、クラブの決定なので、仕方ありません。自分としては、ケガ人も多く出た中で、今季も選手たちのもっている能力を最大限出せるようにとやってきたつもりなので、悔いはありません。ただ、勝てなかったことは申し訳ないですし、残念な気持ちです」
――監督自身の今後については、「日本で監督を続けたい」という思いでしょうか?
「いや、日本でも韓国でも、チャンスがあれば、日本ではない海外でも挑戦したいし、僕のことを必要としてくれるクラブがあれば、どこでもいきたいと思います。サッカーが好きなので(笑)」
――今季のホーム最終戦であり、監督自身、ホームでのラストマッチとなる今節・柏戦に向けて。
「監督の退任が決まり、J2降格の心配もなく、選手たちも難しさはあると思います。選手たちに今日、伝えたのは、『まずはケガのないように、集中して戦ってほしい』ということ。頑張って、勝ってくれたらありがたいです。でも、(監督が最後ということに関係なく)今までやってきたことを、これからの2試合でも続けてほしいです。フロント、スタッフ、選手、サポーターも含め、一つにまとめることは大変ですが、一つになって優勝し続けることで、名門クラブになります。1回(2回)、優勝したからと言って、すぐに名門クラブになれるわけではありません。続けていくことが大事であり、それをクラブが今後、どういう形で表現するかが大事です。昨季、いい経験(優勝)もしたので、来季も優勝する可能性はあると思いますし、それを期待しています」
終始、穏やかな口調で記者陣に対応したユン・ジョンファン監督。この日の練習前のミーティングでは、選手に向けても自ら退任を報告したという。24日に行われる次節のJ1第33節の柏戦が、C大阪の指揮官としてのホームラストマッチとなる。
(C大阪担当 小田尚史)
2018/11/20 18:47