アウェイで5戦全敗など、調子が上がらない千葉。昨季終盤ダブルボランチの一角に入り、クラブ記録となる7連勝に貢献したMF佐藤勇人は、チームの現況をどう感じているのか。チーム最年長となった自身の立ち位置の認識とともに、率直に語ってくれた。
千葉は第8節・金沢戦(1●3)から連勝時の[4-4-1-1]にシステムを変更したが、安定感を取り戻せていない。バンディエラの目には、昨季との違いがこう映る。
「一番気になるのは守備。セカンドボールを拾えていないのと、チーム全体でボールを奪いにいけていない。去年の終盤、攻撃で主導権を握っていたかというと(そうではなく)、守備で主導権を握っていた。守備で圧力をかけ、高い位置でボールを奪い、その勢いでゴールに向かっていた」
超攻撃的スタイルを下支えするのは、自身が率先していた連動したハイプレス。その実感があるからこそ、ディフェンス面の練度に物足りなさを感じている。「では、現状打破のためには?」との問いには「守備にフォーカスしなければならない。セカンドボールへのポジショニングや予測、球際やハードワークをおろそかにしてしまうと、勝点は拾えない。いまJ2で上位にいるのはそこをしっかりやっているチーム。もう一度原点に戻りたい」とチームへの献身を誓う。
一方、今季の千葉については「質の高い選手が入ったのは間違いないし、うまく彼らを生かしてチームとして勝点を拾っていけば、去年以上の成績はとれる」と断言。プロ19年目の経験値から大きな可能性を感じている。
その中での自身の役割は「調子のいいときは新しいメンバーや若い選手が使われると思う。逆に苦しいときには自分みたいな選手が出て、落ち着かせられれば」。今季初出場ながら初勝利を支えた第5節・讃岐戦(6○1)のような出番をイメージする。
讃岐戦や昨季の活躍が証明するように、ピッチに立ったときの存在感はいまだに絶大。「いまがその『苦しいとき』では?」と食い下がると、少しの間を置いて「まだかな、とは思っている」。
出場欲がないはずはない。必要とされるときは、必ずくる。その“間”に、胸の内に押し殺す背番号7の闘争心を垣間見た。
(千葉担当 大林洋平)
2018/04/26 19:48