前節の鳥栖戦は不甲斐ない内容で敗れた柏。その中で、一矢報いるミドルシュートを突き刺すなど、完全復調の兆しを見せたのが田中順也である。
ここ数カ月はコンディション不良に悩まされ、悔しい日々を過ごしてきたレフティー。鳥栖戦での自身のゴールについては「自分の特長を出すのがあのタイミングしかなかったので、それがゴールに入って運が良かったな」と謙遜する。そして、「個人的には(今季ポルトガルから)帰ってきてからは、一番ちゃんとサッカーができたかな。次は自分が出ている試合をしっかり勝たせられるように、チャンスでちゃんと点を取っていきたい」と続けた。
2ndステージ優勝に加え年間勝点3位以内の可能性もなくなったため、リーグ戦でACL出場権を獲得することはできなくなったが、少しでもその可能性を広げるために“年間4位”に入ることの大切さを理解する田中(ACLの出場権は年間3位以内のチームと天皇杯優勝チームに与えられる。年間3位以内のチームが天皇杯を制した場合は、年間4位のチームがACL出場権を獲得)。「年間4位を獲って、少しでもACLに近付ければ。なによりACLに出るとより楽しいですからね」と国際舞台への思いを口にする。
「海外に行く経験をチームでして、またタフになって少しずつ成長できたら。(国際大会は)雰囲気も全然違う。日本のレベルをもっと世界で通用するものにしなければいけないので、そういう大会に出ることは大事だし、それでまた海外に行きたいと思う若手が出てくることが大事だと思う」
リーグ戦残り2試合と天皇杯。来季、柏がACLの舞台で躍動するためにも、世界を知る背番号9の活躍は不可欠だ。
(柏担当 須賀大輔)
2016/10/26 18:58