ルヴァンカップ準決勝を終え、オフが明けた11日、浦和から衝撃の発表があった。
『阿部勇樹、肋骨骨折』。
ルヴァンカップ準決勝第2戦・FC東京戦でベンチ入りこそしたものの欠場した阿部だったが、その理由は疲労などではなく、重傷だった。
骨折したのはJ1・2nd第14節のG大阪戦。クラブが公表したのは試合名のみだったが、54分に遠藤保仁との競り合いで倒れたあとに遠藤の足が脇腹に入ったシーンだと推測される。あのシーンで阿部は痛がったもののドクターも入れることなく立ち上がってフル出場。さらに4日後のルヴァンカップ準決勝第1戦・FC東京戦もフル出場したところにJ1通算500試合出場を達成、リーグ戦124試合フル出場を続けている阿部の鉄人ぶりが表れているが、G大阪戦の時点で交代していてもおかしくないほどの負傷だった。
阿部は「あのとき(ルヴァンカップ準決勝第1戦)が(痛みの)ピークだった。その痛みに慣れればいいというか、いつもそうだから。どこかしら痛いから」と冷静にコメント。15日に行われるルヴァンカップ決勝は当然のごとく出場するつもりのようで、接触プレー等の不安も「特にない。もうこれ以上はないでしょ、折れてるんだから」と笑い、「(準決勝)2戦目はみんなが頑張ってくれたから、(決勝でG大阪に勝って)肋骨のリベンジしてあげないと肋骨に悪い」と冗談を言うほどの余裕ぶり。この日もトレーニング後に居残りでダッシュ等を行うなど、出場に問題はないことをアピールした。
タイトルは阿部が浦和に復帰した理由の一つであり、ルヴァンカップ決勝はこだわり続けた栄冠を懸けた一戦になる。それでも、「あまり意識し過ぎず、決勝だからと言って特別なことをやる必要はない。この前のリーグ戦(G大阪戦)のようなまとまりだったり、規律だったり、気迫を試合で出せればいいんじゃないかな」と言うと、「(規律等を無視して)目立とうしたやつがいたらぶん殴ってやりますよ」と笑いながらも主将らしい熱いコメント。決戦に向けて気合いは十分のようだ。
(浦和担当 菊地正典)
2016/10/11 13:27