前節の横浜FM戦(3◯2)はGK新井章太の負傷に寄って後半ロスタイムが9分とられ、ラスト5分で3点が乱れ飛んだ。2-0から90+6分に1点を返され、90+8分に同点弾を決められた際には選手たちもピッチに倒れ込んだのだが、そこにはさまざまな感情があったそうだ。小林悠は「何をやってるんだ!」と憤慨した一方、「あ、(監督に)怒られるなと思いました」と別方向の焦りが出たのは大島僚太。「まあ、実際に怒られましたけどね」と笑いながらこう続けたが、なんとも彼らしい。そして、この日、出場停止で最上階から観戦していた大久保嘉人は横浜FMの同点弾が入った瞬間、「帰ろうかと思って立ち上がった(笑)」と言う。
さまざまなリアクションがあったが、あらためてこう見ると勝った“から”良かったと言える試合。「(試合の)終わらせ方に課題がある」という田坂祐介の言葉のように終盤の内容に苦言を呈すメンバーがほとんだ。 ただ、その中で意外と割り切っていたのが大久保。「上から見ていてめちゃくちゃ(スペースが)空いていたから、もっと簡単に行けたんじゃないかな、と思ったね」と攻撃面については意見を述べるも、「でも、勝ったんだから。勝ち点3を取ったんだからそれは良かったよ」と笑顔で言う。エゴイストに思われがちだが、何よりもチームの勝利を求める男らしい言葉だった。
(川崎F担当 竹中玲央奈)
2016/09/29 18:57