プレミアリーグ通で有名な大宮の播戸竜二選手。開幕した今シーズンの優勝争いを展望していただきました。
「それぞれ不安点がある」という優勝候補たちに鋭く迫ります。
聞き手:茂野聡士/写真:宇高尚弘
※8月7日発売号の本紙に掲載されたものです。
各ポジションが充実。チェルシーが連覇へ盤石か
昨季優勝したチェルシーの連覇を阻止したいライバルクラブですが、それぞれ不安点があると感じます。まずはマンチェスター・シティです。前線にはアグエロ、シルバ、スターリング、ボニーといい選手がおるけど、中盤のヤヤ・トゥーレ、最終ラインのコンパニーがけががちなのが気になります。軸になる二人を欠くと、失点がかさむ試合も増えるんちゃうかな? 同じマンチェスター勢のユナイテッドは、シュバインシュタイガーとシュナイデルランとか、資金力を生かしていろんな選手を獲ってるけど、ファン・ハールの形にホンマにフィットするのかとクエスチョンはありますよね。そもそもファン・ハールは自分が絶対やから、選手側の気持ちに立てられへん。そのへんが彼、そしてユナイテッドの“弱点”に成り得ます。
昨季3位のアーセナルは、以前よりはいい感じですが、1トップに少し不安があるかな。ファーストチョイスのジルーは確かにうまいんですが、チームが苦しいときにゴールを挙げてるイメージはない。レジェンドのアンリも「ジルーでは……」と言うてるみたいですし(笑)。ジルーには「アンリさん、何言うてんねん!」くらいの気概を見せてほしいですよね。
リバプールはミルナーが加入したけど、GKと最終ラインに少しムラがある。ロジャース監督に任せれば何年か後にはもっといいチームになると思うので、フロントが我慢できるかどうかやと思います。トッテナムとエバートンはそれぞれケイン、ルカクって一流のストライカーがおるけど、チームの総合力、そしてメンタルを考えるとタイトルを争うチームとはちょっと差がありますよね。 こう見ていくと、チェルシーの盤石ぶりを感じますね。FWのジエゴ・コスタとファルカオはもちろん、2列目にはウィリアン、アザール、オスカル、グアルダードといろんなタイプがおるのが強い。そしてボランチは、パサーのセスクに潰し屋のマティッチ、オールラウンドなラミレスと、メンバーがそろってるでしょ? 特にセスクのように長い距離でも正確なパスを出せる選手は、世界的に見ても減ってるんですよね。ピルロとか、Jで言えばヤット(遠藤保仁)や(中村)憲剛、小笠原(満男)、若手では(柴崎)岳くらいやからね。
もしチェルシーに懸念があるとしたら、CBかな。ケイヒルとテリーのコンビでどれだけ行けるのかってところやけど、エバートンにいるストーンズってイングランド代表の若手を狙ってるらしいですよね。そのあたりに目をつけるモウリーニョはさすがやと思うし、チームマネジメントのうまさを感じさせますよね。
あ、優勝争いとは関係ないかもしれないけど、チェルシーで注目してもらいたいのは……チームドクターですね。このドクターさん、何と女性なんです(エヴァ・カルネイロさん)。選手がけがした時とか、彼女の仕事ぶりをチェックすると、もっと楽しいと思いますよ(笑)!
(BLOGOLA編集部)
2015/08/13 17:59