快晴に恵まれた1月3日、東京都を代表する強豪校である暁星と帝京のOB約70名が一堂に会するという盛大な初蹴りが、暁星高校グラウンドで開催された。参加したのは98年卒以降の選手たち。暁星からはサッカー日本代表の前田遼一(磐田)やフットサル日本代表の稲葉洸太郎(バルドラール浦安)ら、帝京からは中田浩二(鹿島)、田中達也(新潟)、木島良輔(前・東京V)など、そうそうたる選手たちが顔をそろえた。
その中で一際存在感を見せたのが日本代表の前田。「コンディションはまだまだ」と話しながらも、暁星の全得点となる3得点を挙げハットトリックを達成。「6年間一緒にやった人もいたので、お互いに考えていることがすぐに分かりました。やっていてすごく楽しかったですね」と幸先の良いスタートを切れたことに笑顔を見せた。
前田の活躍により暁星の一方的な展開になるかと思われたが、ここから伝統の“帝京魂”に火がつく。田中、中田が得点を重ねて同点に追い付くと、終盤で逆転に成功。そのまま4-3で逃げ切った。
このライバル校同士が対戦する異色の初蹴りを開催したのは、99年に暁星を卒業し、現在は博報堂に勤務する玉田知也さん。
「昔、一緒にボールを蹴っていた仲間が、学校の垣根を越えて集まることがすごく大事だと思って企画しました」
互いの母校の発展と日本サッカーの発展につなげようという壮大な狙いも、卒業から10年が経過して30歳に突入し、社会的にもある程度の地位に就くOBが多くなったからこそ可能になったとも言える。来年以降も続けてほしい初蹴りイベントだった。
(鹿島担当 田中滋)
2013/01/11 05:00