それは凄惨な光景だった。前節・磐田戦(2○0)の85分に2点目のゴールを挙げた伊東俊の顔面をディエゴが右手で鷲づかみ。さらに指は目を完全に塞いでいた。何しろこの二人、体格が違い過ぎる。
この超手荒い祝福に至った経緯を、ディエゴが述懐する。「みんな疲れた中で頑張ってて、あそこで試合が決まった。本当にうれしかった。あれは自然に出たもの。かなり気持ちが強く入ってた」。頭髪を剃ってからはチーム内で「ボブ・サップ」とも呼ばれたが、どうやら格闘技系の技をイメージしたわけではなく、うれしい気持ちが咄嗟に表現されたもの。そのうれしさの度合いが直に反映されてしまったようだ。
犠牲者の伊東は「苦しかったし、何があったのかわからなかった。一瞬、視界が全部消えた。恐怖だった」と振り返ったが、ディエゴは「僕もゴールを決めたときにみんなが頭をバンバン叩いてくるので、僕も仕返ししなきゃ」と、今後も手加減するつもりはないようだ。
(山形担当 佐藤円)
2014/11/20 19:18