古巣・磐田と対決した前節、船谷圭祐は「一番楽しみにしていた試合だっただけに、勝ちたかった。悔しいです」と唇を噛みしめた。
最も悔やまれるのは後半のPK失敗。ユース時代の1年後輩である八田直樹に完全に読まれて止められてしまった。確かに手痛い失敗だった。だが、そこには船谷の覚悟が込められていた。
鈴木隆行が獲得したPKではあったものの、船谷は自ら「僕に蹴らせてください」と志願してPKを蹴ったのだ。「そんなこと、人生で初めて」と苦笑いを見せるが、それだけ「勝利」と「ゴール」にこだわっていたという証でもある。失敗したとはいえ、トライした姿勢が無駄になるわけではない。
「次、PKの場面があったら蹴りますか?」。そう問うと、船谷は「蹴りますよ!」と即答した。思い出の地で味わった悔しさが背番号10をさらに大きくさせるに違いない。
(水戸担当 佐藤拓也)
2014/06/11 21:26