今季限りでの現役引退を表明した宮沢克行選手にとって「最後の試合」となった岡山戦では、「継承」を表す印象的なシーンが2つあった。
58分、交代でピッチに登場した宮沢選手は真っ先に山崎選手のもとへ走り、キャプテンマークを受け取った。現キャプテンは山崎選手だが、その山崎選手も5シーズンキャプテンを務めた宮沢選手に相談を仰いでいた感謝の意を込めて、キャプテンから副キャプテンへのキャプテンマーク受け渡しとなった。
引退セレモニーでは、高橋健二コーチから宮沢選手への花束贈呈。06年に高橋コーチの現役引退後、背番号7を受け継いだのが宮沢選手だったが、くしくも、高橋コーチと同じ36歳での現役引退となった。
いつもより1時間以上も遅れて取材が始まった試合後のミックスゾーンに、この日の主役はついに現れなかった。引退セレモニーが終了した後も、希望する全てのサポーターに、最後の1人までファンサービスを行っていたためだった。
(山形担当 佐藤円)
2012/11/13 15:22