ゴールキーパーという職業は自分と向き合うことが多い職業だ。基本的に持ち場はひとつ。ゴールを背にしたポジショニングをどう取るのか、シュートに対してどう角度を切って、どう反応するのか。自らの体と対話しながら決めていくことの多いポジションだからだ。
鹿島には6年連続でリーグ戦フル出場を続ける曽ヶ端準が絶対的守護神として君臨している。しかし、だからといって他の選手が正GKの座を諦めているわけではない。
特に佐藤昭大は、いつでも取って代われるようつねに準備を怠らない選手だ。
現在、宮崎合宿中の鹿島。6日目の午前中の全体練習が終わると、安藤フィジオセラピストと佐藤は二人三脚でトレーニングを始めた。
「腹斜筋のトレーニングです。空中での姿勢も安定するし、ポジション修正したときに体が流れてしまわないようにつねにいい体勢をつくるためには大事です。体が流れてしまっても止められるときは止められるんですけど、たまたま止められても意味がないですから」
ただの筋力トレーニングではなく、「まずは自分を分析してから」という佐藤。分析して足りない部分を補うことを意識しているそうだ。
正GKの座は一朝一夕では届かない。日々のちょっとした努力の積み重ねが来たるべきチャンスで役に立つはずだ。
(鹿島担当 田中滋)
2014/02/02 13:37