ライセンス交付の発表が行われた翌日の29日、ギラヴァンツ北九州は新門司で、30日に控えた水戸戦に向け、いつもと変わる事なく、黙々とトレーニングに励んでいた。
ピッチ外には、多くのサポーターやファンが詰め掛け、優しいまなざしと表情で、見守っていた。
プレーオフ圏内が見えていた中での発表。残業ながら北九州は、残り7試合で6位以内に入っても、J1への道を閉ざされてしまったわけだが、全てが終わったわけではない。
練習後に行われた、三浦監督と木村キャプテンの会見コメントを、全文掲載していますので、ご覧ください。
ギラヴァンツ北九州
三浦泰年監督
--発表を聞かれた時の率直な感想は?
「そうですね。選手の頑張りと、サポーターの支えによって、プレーオフが現実的になる、リアルになる形に持っていったわけですから、こういう状況を受け入れなければいけないものの、やはり選手の努力に対して、報われる様な形を取ってほしかったという気持ちはありましたけど。ただ、現実と事実を受け止めて、われわれはこの後もしっかり戦わないといけない。逆に、よりしっかりしなければならない。そういう気持ちを持ちました」
--選手に対しては、どのような形で伝えたのでしょうか?
「受け入れたくなくても、これは現実であり事実であるという事。それは、何を言っても変えられないという事。ただ正直な気持ち、プレーオフの6位以内に入って、「現実なんだ、事実なんだ」という事を、実感しなければ、気づかない事なのかもしれないんで、やはりわれわれは残り7試合戦って、そこを目標に。それが、本当なんだと入った上で、この事実を受け入れる、次に向かって行ける、1つのモチベーションの持ち方なんじゃないかなという風に思う。選手にとってはサッカーが無くなるわけでもないし、プレーを止める選手はいないと思うし、こういう状況の中だからこそ、しっかり戦って、それができれば選手にとっては大きな自信になると思うし、周りに対してのアピールになる。じゅうぶんなモチベーションはあると思う。そういう話を、彼らとしてあります」
--話した時の選手の反応と、一夜明けて今日の練習を見て、どのような印象を?
「彼らは、しっかり水戸戦に向けて準備していますし、この説明をチームから必要かと私の問いの中で、「必要ない」と「水戸戦に集中したい」と。水戸戦後、会社の見解を聞く必要があれば、もう一度自分の方に言って来るという形にしたけど、おおむね変わるものではない事ですから、彼らは試合に集中したいと言ってました」
--残り7試合、どのような戦いを?何も目標に戦いますか?
「先ほども言いましたけど、これが現実なんだと知るためにも、6位以内に入る事が大事になってくると思います。そういう中で、一ポイントでも多く取る。われわれが目指している良いサッカー、追求しているサッカーを構築しいるわけですから、われわれの最高に近づく事が大事だと思います。一戦一戦良いサッカーをやる中に、勝利というものは入っているわけですから、いつでも多くの勝点と勝利を、サポーターと共に味わう事が大事になってくるんだと思います」
--サポーターに対しては、どのような事を伝えたいですか?
「クラブの一員として、クラブを代表して、サポーターには大変申し訳ない気持ちで一杯です。われわれ現場、コーチングスタッフ、選手では変えられないものは数多くあるわけで。そういう意味ではサポーターの力が必要に、今後なって来ると思いますんで、この悔しさを共に味わって、今後の北九州のサッカーの発展、またはプロサッカーの発展、ギラヴァンツ北九州の発展に、共に一緒に戦って行ってほしいなと思います」
--明日対戦の水戸も同じ様なシチュエーションだと思いますが、どのような位置付けの戦いに?
「本当に、非常に大事な試合になると思いますし、お互いにより難しい状況ができたのかなと思っています。そういう中で、やはり今までやって来た事、どんな環境、どんな状況でも全力を尽くせる事。その中で、やはりプロとしてのエンターティナーとして、サッカーの魅力を伝える。見に来た人に感動と勇気を与える。これが1つ、
われわれが目指している所のわけですから、そういう難しい状況の中で、環境の中で、思い切って自分たちが積み重ねた来たもの、追求しているサッカーをやりたいなと思っています」
--6位に入る事で、世論への働きかけというものも、あると思いますが?
「プロライセンスを導入して、Jリーグの在り方だったり、そういうリスペクトしないといけない部分もありますから、ハッキリなかなか言えない所もあります。しかし、J2ライセンスであり、J1ライセンスを取れないチームでも、良い戦いができている、良いサッカーができる、J1と対等に戦っているチームがあるという事を示すためにも、われわれが勇気を持って戦う事が大事になって来ると思います」
木村祐志キャプテン
「まあ、それは仕方がない事ですし、自分がどうこうという問題でもないですし、そこは受け止めて。取りあえず今は水戸戦に集中して。それでモチベーションがどうこうという選手は、ウチにはいませんし、一戦一戦大事に、応援してくれる人がいるので、その人たちのためにもしっかり戦って、そこはJ1に行けないからといって、やる気が無くなる事ではないから。シーズンも終盤ではありますけど、一試合一試合大事にして戦いたいです。プレーオフも出れないですけど、上を目指す事に変わりはないんで、今度の水戸だったり、上の順位のチームとの対戦もあるので、しっかりそこは勝ちにつなげられる様に、上に少しでも行ける様に、やって行くだけです。それが北九州の、今後にもつながってくると思うんで、そこはしっかりやり抜きたいです。チームには、あと7試合しかないけど、しっかりやって行こうとは言いました」
(北九州担当 坂本真)
2012/09/30 10:01