練習場の片隅で、いつも選手たちを優しく見守る姿を目にする。
昨季で現役を退き、今はギラヴァンツ北九州のアンバサダーとして、さまざまな活動でクラブを後方から支えている、桑原裕義アンバサダー。2年前は御自身も、福岡ダービーに出場して戦った経験者だ。8月19日に、ホーム本城で行われる今回のダービーについて、少しお話を伺った。
「前回の戦いはレベスタで見ましたが、正直、残念な結果でした。ウチの方が良いサッカーをしていた。それだけに僕自身も悔しい思いをしました。あの試合から失点の部分など、守備面での不安要素が出て来た様にも感じます。あの時は、レベスタも盛り上がっていましたし、福岡の選手もウチには負けないという気持ちが前面に出ていたので、気持ち的に負けていたのかな。うまい人でも気持ち的に強くないと、この世界では生き残っていけない。ウチのチームにもうまい選手は多いので、メンタリティの部分で勝っていかないといけない。それは、もっともっと色んな場面で追求して行ってほしいですね」
-選手たちからアドバイスを求められたりしませんか?
「聞きに来たら答えられますが、なかなか今は立場的にも言えないですし、あえてこっちからは言わない様にしているので、少し歯がゆい部分もあります。純粋にこの地で誕生し、下のカテゴリーから上がって来たJ2三年生ですけど、同じ県にあるチームとの戦いですから、プライドを持って戦ってほしいです。戦術的な面は三浦監督の指導の下、厳しいトレーニングの結果、出来ているので、あとは最後の所で力を発揮出来るメンタルの部分、体を張ったり足を出したりして、相手に勝ってくれたらと思います。全員が1つの事に向かって、今何が必要なのかを、どんどん声を出して意見を言い合う事も必要です。町田戦や大分戦の様に、10人になってからの戦いが、始めから出せる様にしてもらいたい。試合終了のホイッスルが鳴るまで、走り続けて仲間を助けていければ、おのずと結果は付いてくると思うので、この前の大分戦でつかんだキッカケを生かすためにも、結果にこだわる戦いを見せてくれればと思います」
桑原アンバサダーには、お忙しい中時間を作ってくださり、予定の時間よりも長く熱く語っていただきました。ご自分では果たせなかった福岡戦の勝利を、今度の試合で後輩たちは必ず果たしてくれるでしょう。
(北九州担当 坂本真)
2012/08/16 19:52