多摩市陸上競技場での練習取材を終えて、ヴェルディのクラブハウスへ向かうと、人工芝グラウンドで黙々と走る選手がいた。ピンクのスパイク、小柄。室内での調整、リハビリが多かったようなので、久しぶりに練習着、そしてグラウンドでの姿だった。左肩脱臼、及び手術で戦線離脱している杉本竜士選手だ。手術した左肩にはバンテージが巻かれ痛々しいが、ピッチを上げて右肩だけを強く振り、足を前に踏み出していた。一時期は「こんなに長くサッカーができないのは初めてなので、メンタル的に厳しいです」と漏らしていた杉本選手。復帰はまだ先だろうが、前を向いて走る杉本竜士選手の現在が、そこにあった。
(東京V担当 田中直希)
2012/06/29 00:00