松本怜、中2の冬。野球をして遊んでいた際、遠投の弾みで腕を骨折。故郷・北海道の長い冬をリハビリに費やし、春になって外に出てみたら走るのが速くなっていた。50メートルを5秒8で駆け抜けるスピード系FW誕生の瞬間である。
その足腰をさらに鍛えることになったのが、青森山田高の冬トレーニングだ。雪の中で3個のボールを使って行う30対30の紅白戦が恒例で、雪を踏み固めなくてはゲームにならない。全員でグラウンドを走り回ってようやくサッカーらしくなるのだが、翌日にはまた新雪が降り積もっており、同じことの繰り返し。「新雪がいかに足腰を鍛えるかを思い知りました」と当時を振り返る。
高3でインターハイ優勝を遂げた折には、変則的な布陣の右に張り自由にしかけた。バランスを取るのが難しかったというが、これを機にU-18日本代表に選出され早稲田大の推薦も獲得。スピードスターの成長物語はエピソード満載だ。
(大分担当 ひぐらしひなつ)
2013/04/26 18:28