高校年代の夏のクラブ王者を決するadidas CUP日本クラブユース選手権(U-18)が、7月27日から開催される。群馬県内の各地で準々決勝までを消化し、準決勝と決勝はニッパツ三ツ沢球技場で開催される。大会は全国の予選を勝ち抜いた24チームを4チームずつ6グループに分けて総当たり戦を実施。各グループ上位2チームと、3位チームの成績上位4チームの計16チームが決勝トーナメントに進出する。昨年度大会までは24チームを8チームに絞り込む方式が採用されていたが、今年度から“ラウンド16”が創設された。昨年度までのシステムは「勝ち点6で敗退は当たり前」という過酷なレギュレーションで、「これではトーナメント戦と変わらない」と、指導者などから不満の声が出ていた。なお、大会日程の詳細は日本クラブユース連盟の公式ウェブサイト( http://www.jcy.jp/ )まで。
ここでは、大会の注目選手を紹介してみたい。せっかくなので、「大会開幕前ベストイレブン」を選んでみた。各チーム1名の原則を維持しつつ、ポジションバランスも考慮して選考にあたっている。もちろん、実際の大会で活躍する選手は異なってくるだろうから、「大会後ベストイレブン」は別個に選ぶつもりだ。
【EG撰 adidas CUP大会前Best 11】
“太陽王子”の最後尾には、あふれんばかりのパッションを示す守護神がいる。抜群の“足技”でビルドアップの第一歩になる現代的なGKだが、セービング能力も「あいつが決められたなら仕方ない」(下平隆宏監督)と信頼されるほど高い。
関東クラブ王者の赤菱軍団、その右翼を担うキャプテン。CBとしての経験が豊富で対人プレーに秀でており、SBとしてはどちらかと言うと“守備型”に分類されるタイプだが、機を見ての果敢なオーバーラップが光る試合も珍しくない。
DF ハーフナー ニッキ(名古屋U-18/3年)
ゴール前にそびえ立つ197cmのハイタワー。競り負けた対戦相手が「反則でしょ…」と漏らす驚異的高さが最大の武器だが、ステップワークの改善などに取り組み、DFとしての総合力も向上しつつある。明朗快活なキャラクターも魅力。
優勝候補の一角を担う札幌U-18のストッパー。アグレッシブな判断が光る選手で、FWへのパスを強気のインターセプトで遮断する。積極性が裏目に出てしまうこともあるが、めげることなく強気を維持するメンタルも魅力の一つ。
1年生だった昨年度から出場機会を得ている左SBで、果敢な攻撃参加からパワフルかつ高精度の左足のキックで相手ゴールへと迫っていく。“突貫小僧”タイプではあるが、今年に入ってからはビルドアップに絡むプレーに成長の跡あり。
「全日本技巧選手権」があれば、上位進出間違いなしのテクニシャン。“ヨミウリ”の系譜を色濃く受け継ぐ選手であり、相手チームにとっては、「ボールを持たせたら何をするか分からない」独特の怖さを持ったアタッカーである。
小さな体にターボエンジンを搭載し、そのドリブルでサイドを切り裂く青赤の切り込み役。攻守の素早い切り替えも光り、その運動量で守備面でも貢献する。キックの精度も高く、プレースキックからゴールの演出者となる。
「全日本技巧選手権」で中島に対抗するとしたら、この男か。168cmと体は小さいが、それをハンデではなくメリットと感じさせるセンスの持ち主。バイタルエリアでパスを「引き出す」プレーにも秀でる。すでにトップチームデビュー済み。
幾多の名手を生み出してきた広島ユースが自信を持って送り出す大器。その左足を駆使してゴールチャンスを次々と創出する攻撃的MFで、高校年代では抜けた存在だ。今季J1リーグデビューもすでに飾っており、クラブの期待値も高い。
この年代トップクラスのストライカーとして中学時代からその名を轟かせていた「ミナミノ帝王」。ボールを収めてさばくMF的なプレーにも長け、オールラウンドな攻撃能力を備える。実際にMFとして出場することも少なくない。
U-19日本代表にも名を連ね、トップデビューも近いとウワサされる大型ストライカー。185cmの大きな体を活用しての突進ドリブルで敵を蹴散らし、ゴールを陥れる。1対1でこの男を抑え込めるDFはそうそういないだろう。
写真:梅原沙織、齊藤友也、森田将義、徳丸篤史、川端暁彦
(EL GOLAZO 川端暁彦)
2012/07/26 22:19