12月9日のJ1参入プレーオフ決定戦をもってJリーグはすべての日程を終えたが、年明けにはアジアカップがあるため代表選手のオフは短い。朝鮮民主主義人民共和国代表に選出されている東京Vのリ・ヨンジ(写真中央奥)も、体を休めたのは1週間だけ。今週から代表のために自主トレで体を作っている。
「国の宿命なんで仕方ないっす」と、色を黒に戻して15cm以上も短くなった髪をかき上げながらリ・ヨンジは笑う。代表招集は3月のアジアカップ予選以来で、その間に代表監督はヨルン・アンデルセンから、代表でのコーチ経験のあるキム・ヨンジュンに交代している。新監督は35歳と若く、2010年W杯の出場経験もある。「サッカーの印象はちょっと前の北朝鮮に戻った。組織がなくなって個を優先する感じ」と見るリ・ヨンジ。今季ヴェルディでは前線で起用されたが、おそらくは本職のボランチ、「アンカーに入って散らして守備で体を張る感じになると思う」と予想する。
アジアカップの北朝鮮の初戦は来年1/8だが、リ・ヨンジ23日に日本を出てベトナム合宿に入り、その後バーレーン合宿を経て開催国のUAE入りする。ベトナムとバーレーンでは、それぞれの代表チームとトレーニングマッチを行う。「アジアカップが終わって帰ってきたらもうチーム(東京V)は始動している」という過密スケジュールだが、「それでも先に体は仕上がって帰ってくるから」と前向きだ。
今週の自主トレには、ヴェルディの同僚たちが「どうせ体を動かすならと付き合ってくれている」そうで、「みんな結構ガチでやってくれるんで助かります」と仕上がりは順調。「まずは練習試合でアピールしてスタートから出られるようにしたい」と、代表での活動でオフシーズンを盛り上げるつもりだ。
写真:芥川和久
(東京V担当 芥川和久)
2018/12/21 19:48