第33節・清水vs神戸はラフプレーや退場などで大荒れとなったが、その中でも清水のGK六反勇治が同点ゴールを決めたことは衝撃だった。あのとき、ゴール前でどんなことを考えていたのか。「相手は(退場やケガで)人数が少なかったので、ゴール前に必ずフリーになるということは分かっていた。一人がゾーンで守っていて、それ以外はマンマークで、人数が余っていた。そこでクリアされなければ決められる確率が高いかなと思っていた」。
その読みもあり、石毛秀樹のCKにゴール正面に陣取った六反の、下がりながらのヘディングシュートがゴールに収まった。FW顔負けのシュートは、J1では史上初GKによるヘディングでのゴール。簡単なゴールではなかったはずだ。
普段から練習をしていたのか?
「練習はしていない。それだったらキーパーの練習をしていますね」
とやはり、真っ当な答えが返ってきた。ただ、六反はこんな噂を聞いたようだ。「鹿児島のテレビでは、投げ飛ばされたことしか放送されていなかったらしい」。故郷では、ゴールを決めたことは流れず、ウェリントンに投げ飛ばされたこと、そして試合後に泣いていたことばかりが映し出され、複雑な気分だったようだ。
(清水担当 田中芳樹)
2018/11/29 07:30