前節の水戸戦(2〇0)の前半は完全に劣勢に立たされた福岡。その悪い流れを何とか耐えて無失点で切り抜けたことが後半の攻勢と勝利につながったという点で、守備陣の粘り強い働きは、高く評価すべきものだった。
特に目立ったのがGK圍謙太朗とCB堤俊輔の落ち着いたプレーぶりだった。7試合連続の先発だった圍に対し、堤は3試合ぶりの先発。チャンスをモノにしようと力み、それが焦りとなってしまうことも往々にしてあるはずだ。
「出番を失えばもちろん悔しいけれど、クサっていてもしょうがないので、いつチャンスがきてもいいように、サボらずに一日一日の練習を大切にしている」(堤)
これはある程度は予想していた答え。でも、それでは十分に納得できず、例えば出番がなかった第7節から第12節の6試合、約1カ月の間はどのような気持ちで過ごしたのかを再度聞くと、『なるほど!』と思える答えが返ってきた。
「試合に出たときの自分を想像して、この相手ならこういうプレーをしよう、そうすれば自分の特徴も出しながら相手も抑えられる。あるいは、この味方とコンビを組むことになったらこうするな、こうしたほうがお互いの特徴をうまく出せるな。そういうことを常にイメージしていました。自分の何がいけないのかを考えることも必要だけれども、試合に出た自分をイメージすること、特に自分のよさや味方の特徴がどうすれば出せるかということを主にイメージすることで、気持ちは前向きになるし、そうすることで心をポジティブに整えることができるんですよね」
イメージトレーニングをしていたから、久しぶりの出場でも長く試合に出続けていたかのように落ち着いてプレーでき、4バックのCBとして篠原弘次郎と初めてコンビを組んだにもかかわらず、しっくりとした連係で無失点に抑えられたのか。妙に合点のいく堤の答えだった。うん、イメージせよ!
(福岡担当 島田徹)
2018/05/30 17:47