前節・松本戦、徳島のリカルド・ロドリゲス監督は、負傷離脱していたMF岩尾憲を予定より早く復帰させた。メンバー選考時に「まだ痛みを抱えていましたが、最後の最後まで検討した結果、リスクはあるがプレーできる状態」と判断して抜擢したという。まだ万全とは言えなかったとはいえ、主将・岩尾の復帰はチームにとってはもちろん、サポーターにとってもうれしいニュースだった。
さて、この復帰について、多くの人が気づくことができなかった。非公開練習時には「合流して練習させていました」(ロドリゲス監督)とは言うものの、公開練習時にはいつもどおりトレーナーと一緒に淡々と別メニューをこなしていた。ほかの選手に取材した際も、岩尾復帰がにじみ出るようなコメントは表に出てこなかった。
「敵を欺くにはまず味方から」という表現もあるが、岩尾不在を“劇団”全員で華麗に演じた徳島。「うまく騙せましたか?」という記者からの問いに、ロドリゲス監督は「Si!(はい)」と屈託のない笑顔でにんまり。
くぅ~、やられた。
(徳島担当 柏原敏)
2018/05/27 18:55