千葉の矢田旭が12日の前節・新潟戦でJ通算100試合出場を達成した。プロ5年目での大台到達に、「(プロ入りした名古屋で)1年目、2年目は順調に出られて、(名古屋のJ2降格が決まった)3年目はチームとしても個人としても苦しいし、悔しいシーズンだった。できれば、もう少し早く到達できればいいなと思っていた」と自己評価は百点満点といかないながらも、「また千葉にきて、こうやって試合に出させてもらっているし、サッカーをする喜びを感じながらプレーできている」と充実した表情を浮かべる。
矢田は千葉で今季、全試合に出場している数少ない一人。攻撃的MFに軸足を置きつつ、ときにボランチ、ときにサイドプレーヤーとまさにマルチロールとして活躍中だ。「使ってもらっている喜びは感じているので、それをプレーで貢献し、感謝の気持ちをプレーで表せたらと思っている」とフアン・エスナイデル監督の信頼を力に変えている。
最近、私生活でも大きな喜びがあった。待望の第一子となる長男が先月、誕生。「(15年に)結婚したときもそうだが、(14年にプロ入りした)初めは一人だったのが、結婚して(家族が)二人になって、子どももできた。もう自分だけではないので、『より頑張らないとな』という気持ちは強くなっている」と一家の長としての責任感も高いモチベーションにつながっている。
「なかなか試合に出られてなかった中で(昨夏に)千葉にきて、今季、完全移籍できてすごくやり甲斐を感じている。J2もレベルは高いし、チームとしてJ1に上がれるように頑張っているところ」。
100試合は通過点――。チームのため、家族のため、そして自分のために。さらなる高みに歩を進めていく強い意志がいつも物腰柔らかな男の瞳の奥に灯っていた。
写真:大林洋平
(千葉担当 大林洋平)
2018/05/17 20:14