6月28日からフランスで行われるトゥーロン国際大会に出場するU-21日本代表に、東京VからMF井上潮音が選出された。井上は「選ばれたことは単純にうれしい」としながらも、「こういう状況のときにチームを離れるのは複雑な気持ちもある」と、表情を曇らせた。
開幕から10戦無敗を続けていた東京Vは、第11節の大宮戦から4連敗。前節の山口戦は前半で2点をリードしながら、後半に守備陣が耐え切れず4失点を喫して逆転負け。後半途中から出場した井上は、「苦しい時間帯で、自分がもっとチームを助けるようなプレーをすべきだった」と反省を口にする。「チームを勝たせるようなプレーができていない」ことが、U-21代表選出に対しても多少の引っかかりを感じさせているようだ。
しかしそんな井上と東京Vに格好の“援軍”になりそうなのが、先週から練習参加している本田圭佑だ。「やっぱりプレーのレベルが高い」のはもちろん、井上が最も感銘を受けたのは「メンタルの部分」だという。「一つひとつのプレーに自信が満ちあふれている。あのメンタルがあるからこそ上でできていると思うし、僕らもそこをもっと伸ばしていかないといけない」。
この連敗中、ロティーナ監督も「チームが自信を失っているように見える」とメンタル面の課題を口にしているだけに、自信の塊のような本田とともにプレーすることは、井上をはじめ、東京Vの各選手たちに大きな刺激を与えている。
「(トゥーロンでは)いい相手と試合ができるので、そこで自分のプレーを出して、自信をもってヴェルディに帰ってきたい」と抱負を語った井上だが、日本を離れる前に18日のアウェイ・岡山戦が待っている。「勝って気持ちよく向こうにいきたい。最後に一つ、結果を残していきたいですね」と、力強く前を見据えた。
(東京V担当 芥川和久)
2018/05/17 19:06