プロデビューとなった第10節・新潟戦(1○0)から継続して先発に名を連ねているMF奥抜侃志だが、徐々に相手の対策も進み、得意のドリブルが止められるケースも増えてきた。前節・千葉戦(0●1)では60分で交代。千葉のウイングバック・茶島雄介の徹底的な守備に苦しみ、持ち味を出せたシーンはほぼなかった。
プロの壁にぶつかっているとも言えるが、奥抜に焦りはない。むしろ「課題が見つかると楽しいし、それに向かってやるのは、サッカー選手として成長している感じが得られる」と前向きに捉え、トレーニングから向上を怠らない。
最も得意なカットインするドリブルを警戒されている現状を踏まえ、取り組んでいるのは縦への仕掛け。もともと縦への突破には自信をもっているが、課題は突破後のプレー。居残りで左足のクロスを練習し、新たな武器とすべく鍛錬を重ねている。
「石井さん(石井正忠監督)からもアドバイスをもらったりして、最初よりはいいボールを上げられるようになってきたと思う。フォームとか、腕の位置とかを教えてもらって、だいぶ感覚は変わりました」
最大の武器がストップされても意気消沈するのではなく、いかにして次のステップに進むかを模索する姿は頼もしい。天然なキャラクターが愛されるドリブラーは、地道に“本物”への歩みを進めている。
(大宮担当 片村光博)
2018/05/09 19:12