日本代表監督を電撃解任されたヴァイッド・ハリルホジッチ氏が21日、フランスからの飛行機で来日した。来週27日に予定されている記者会見で何を語るかに注目が集まるが、この日も空港に集まった多くの記者陣を前に、約2分半だけ心情を吐露した。
その声は、出だしから涙声で震えていた。15年3月の監督就任時から通訳としてともに働いてきた樋渡群氏も、思わず目を真っ赤にして涙をこらえ切れなかった。
「日本に来るのは…いつも喜びを持っていましたけど…」
そこまで話すと、ハリルホジッチ氏も涙を隠すようにサングラスをかけ、頭上を見上げるしかなかった。
「今回の状況は、ちょっと特別なものです。45年、フットボールに関わっていて、(いまの状況が)本当にフットボール人生で難しいものになっています。何が起きているのか、まだ理解できていない状況です。真実を探しにきました。本当に公に、私は真実を知りたい」
日本サッカー協会の田嶋幸三会長いわく、「解任は私の決断です」と語った今回の人事。ロシアW杯を2カ月後に控えた状況で大なたを振るわれたハリルホジッチ氏は、感傷的になりながらも持ち前の勝気さをここでも振り絞った。
「私をうんざりさせるような状況に追いやって、私をゴミ箱に捨てた状態。ただ、私は最後の言葉を言いにきました。私の誇りを傷つけるようなこととは、戦わないといけないです。このような対応をされるとは。特に日本という素晴らしい国で、日本という社会はお互いを尊敬、リスペクトしあう文化のところです」
今後は訴訟や慰謝料請求の可能性も報じられる中での、今回の来日。27日に記者会見が予定されているが、週明けからは日本サッカー協会との話し合いなども行われる模様だ。
最後に立ち去る際に、言い残した一言。
「私は、まだ終わっていない」
本人も予想だにしなかった、遺恨を抱えた来日。ここからの言動に、注目が集まる。
文・写真:西川結城(エルゴラッソ日本代表担当)
(BLOGOLA編集部)
2018/04/21 15:46