ヴァイッド・ハリルホジッチ前日本代表監督の電撃解任によって、今また「日本らしいサッカーとは何か?」が各方面で議論されている。本日(13日)行われた囲み取材で、東京Vを率いるロティーナ監督にそれを尋ねたところ、スペインから来た智将は「ショートパスを多用したサッカー」と即答した。
ロティーナ監督は日本人選手の特性について、「ボールを扱う技術が高い」と評価している。ただ、その特性を生かしてショートパスをつないでいくサッカーをするべきかどうかは、監督自身の嗜好も大きく入っていることを割り引いて考える必要はあるだろう。もちろん現実主義であるロティーナ監督は、「日本がこれから成長していくためのカギはディフェンスの向上にある」と注釈を付けることも忘れなかった。
「日本のポテンシャル生かしていくカギはディフェンス面です。それも、チームのディフェンスというより、個人のディフェンス戦術。ヨーロッパや南米のサッカーを見ると、守備の面で厳しい、より高いレベルでプレーをしています」
東京Vを率いて2年目の今季、総失点3の堅守をベースに開幕から8戦無敗を続けているロティーナ監督らしい提言。どうも「ショートパスを多用するサッカー」の前には、「個人の守備戦術の基本ができている」という前提条件があるようだ。守備の個人戦術となると育成年代からの取り組みとなり、気の長い話にはなるが、日本サッカー界が取り組んでいくべき課題なのは間違いない。
(東京V担当 芥川和久)
2018/04/13 20:00