28日、鳥栖は市内で加藤恒平の加入会見を行った。
前所属のベロエ・スタラ・ザゴラ(ブルガリア)では「クラブとの契約更新を自分から拒否していた」ため、出場機会が激減。欧州ではよくあることだが、「そのままシーズンが終わるかも、と自分でも覚悟していた」最中に鳥栖からオファーが届いた。書面でオファーが届いたのが4日前のこと。「ヨーロッパでやり続けたい思いもあった」そうだが、「このタイミングでオファーをもらえたことがすごくうれしくて、もう一回日本で自分の力を証明して、そのあとのことはまた考えようかな」と鳥栖への移籍を決断した。
現地時間の日曜夜にブルガリアのソフィアを出発。イスタンブール、韓国を経由し、約20時間のフライトを経て福岡へ。そして、月曜の夜に鳥栖へと到着した。火曜の午前中にメディカルチェックをパスし、午後からはチームの練習に合流。海外でのプレーの中で培った自分の持ち味を「カウンターの起点になる奪い方、攻撃にスムーズにつながるボールの奪い方をできればいい」と話した。「試合が終わったときに誰よりもユニフォームが汚れている選手になりたい」とチームのために汚れ役となることを誓っていた。
また、欧州でのプレーで感じたこととして「日本と向こうでは奪い方が違う」点を挙げた。「日本は相手に抜かれないことを第一前提にして守る。僕が子どものころに習ったのも相手を焦らしてどっちかにコースを切っていかせてとるという感じだった。ヨーロッパは抜かれてもいいからとりにいくというやり方。ディフェンスは前の選手主導で後ろの選手はそれについていくと思うが、別に抜かれることが悪いわけではなくて、抜かれ方がよかったら僕は抜かれてもいいと思う。なので、海外の選手は後ろの選手が分かりやすい抜かれ方をしているし、そのほうが後ろの選手がフォローにきやすい。抜かれるならそういう抜かれ方をすべきだと僕は思うし、それを自分もしていきたい」と独特の感性での貢献を目標にしていた。
ハイプレスが持ち味でもある鳥栖に加わった欧州帰りのボールハンターがどういった色をもたらすのか注目したい。
写真:杉山文宣
(鳥栖担当 杉山文宣)
2018/03/28 20:24