「徐々に上げていきます」とマイペースの調整を続けてきた福岡・枝村匠馬のコンディションがついに整ってきた。本人も「まだ追い込みたいとは思っているけど、『いけ』と言われればいける状態にはなった」と話し、加入後初のベンチ入り、あるいは出場が近い、と思わせる状況になってきた。
チームの現状からすればボランチでのプレーの可能性が高い。鈴木惇、城後寿、ウォン・ドゥジェ、山瀬功治らここまでボランチとしてプレーしている選手にはそれぞれ際立つ特徴がある。そんな厳しい競争に枝村はどんな武器を手に取って臨もうとしているのか。
「自分には特別な売りものはないんじゃないかな。ただ、自分としては味方も生かしたいし、自分も生きたい。そんなプレーをしたいと思っている」
飄々と、淡々に語るそんな枝村はいまのチーム状況を見て続ける。
「これまで外からしか見ていない自分が何かを言える立場ではないんだけど、チームとしては悪くはない、と思う。あとは“きっかけ”さえあれば」
柔らかい言葉の中に、“そのきっかけに自分がなりたい”との強い意欲を感じたのは、きっと気のせいではない。
写真:島田徹
(福岡担当 島田徹)
2018/03/28 13:26