11月の欧州遠征に臨む日本代表。そのメンバーに招集されたMF長澤和輝が発表翌日の1日、その喜びを語った。
ACL準決勝第2戦・上海上港戦後にヴァイッド・ハリルホジッチ監督が自身を評価していたことについては伝え聞いていたという長澤だが、一方で「期待して待っていたわけではなかった」。それでも「小さいころからの夢だった」日本代表初招集を受け「正直にうれしい」と笑顔を見せた。
今季、千葉への期限付き移籍からの復帰という形ながら、初めてユニフォームに袖を通した浦和では、力を発揮するには時間を要した。ミハイロ・ペトロヴィッチ前監督の下ではなかなか出場機会を得られず、天皇杯では右ストッパーという本職とはかけ離れたポジションでのプレーを強いられることもあった。
それでも「向こうでは大学でプレーしていることがあり得ないし、最初は言葉も分からなければ通訳もいなかった」状況から出場機会を得るに至ったドイツのケルンでの経験を下に、「練習からアピールするしかない」と思い続けた。腐るどころか、大学時代からコンタクトがあり、帰国する際も真っ先に手を挙げた浦和に対しての恩義を忘れず、「出る、出ないに関係なく貢献しよう」と努力を続けてきた。
そして堀孝史監督就任以降、少しずつ出番を増やしていく。ACL準決勝・上海上港との2試合では、屈強な外国人選手にも当たり負けせず、その実力を攻守にわたっていかんなく発揮。これまで大学生に限られるユニバーシアード代表経験はあるものの、アンダー世代の代表も候補合宿を含めて選出された経験がなかったという長澤が、この1カ月ほどの活躍で一気にA代表まで上り詰めた。
今回はいきなりのヨーロッパ遠征、それもブラジル、ベルギーという強豪との対戦となる。「なかなかうまくいくことではない」と、理解している。それでもハリルホジッチ監督が評価してくれたであろう「守備をしっかり行くことだったり、攻撃でボールを持ち運んだり、点に絡むようなプレーを出していければ」と意気込んでいた。
写真:菊地正典
(浦和担当 菊地正典)
2017/11/01 19:07