前節の山形戦で熊本を8試合ぶりの勝利に導いたのが、12試合ぶりのゴールを挙げたFWアン・ビョンジュン。連日、全体練習後も居残って田中達也や片山奨典らとともにクロスからのシュート練習を重ねた成果が出た。
「入った瞬間、キタジさん(北嶋秀朗コーチ)のところに走って行こうと思った」というが、その理由は、「点が取れない期間、クロスへの入り方やボールの当て方」にとどまらず、「そういう時の心の持ちようについても話をしてもらった」からだ。
「点が取れないことでゴールに執着し過ぎると、それ以外のプレーが疎かになりがち。あまり意識しないで、前線での守備や身体を張って起点を作ること、いるべき場所にいるってことを丁寧にやると、ご褒美みたいな形でゴールは取れるって、キタジさんにも言われていたんです」
これでキャリアハイを更新する7ゴールとなり、残り8試合で二ケタに届く可能性は十分。だが——。
「二ケタを意識していないというと嘘になりますけど、ゴールを決める以外でも貢献しないといけない部分はあるので、そういうところを丁寧に、質を高くやっていくことで、結果としてゴールもついてくると思います」
ひさびさのゴールに、相手との駆け引きも含めて感覚やフィーリングは高まってきた手応えがある。2試合連続ゴールも期待されるが、丁寧で献身的なプレーで、今シーズン2度目の連勝へ導く。
写真:井芹貴志
(熊本担当 井芹貴志)
2017/09/29 19:27