「出場した事実に関しては、あの日を迎えるまでの(プロセスの)結果。それまでの過程は否定するものではないし、成長してくるこたができた。それは一つ、最終的な結果ではないが、結果を得られたのは僕にとってはポジティブなこと」
7月29日のJ2第25節・愛媛戦で今季、リーグ戦初先発初出場を果たした千葉の溝渕雄志。その約2週間前に行われた天皇杯3回戦・G大阪戦で公式戦デビューを飾っていたが、Jのピッチに立ったことで、プロの世界で新たな一歩を刻んだ。
開幕からの5カ月間は“生みの苦しみ”といえる時期だった。そして己と向き合い続ける中で、ある気づきがあった。
「サッカーだけでなく、いろんなことを思い込みで判断していた。主観的である以上、どこかに自分の偏見とか思い込みが重なって、いろんな判断をし、それが出てしまう。それを一回振り払うために、監督が言葉で何を要求したのかを整理したら、思い込んでいたことは求められていることではないことかもしれないと(感じた)。クリアになったことで、まずは自分の長所を練習からひたすら出すだけではなく、足りないところを少しでも良くなるように意識し過ぎるぐらい意識した」
まずは武器である積極的な飛び出しを見せようとする欲を捨てた。そして、求められたポジショニングや飛び出す状況判断の改善に時を費やしたことで、待望の出場機会を手にすることができた。
ただ、フル出場した2試合はいずれも負けゲーム。8月5日の徳島戦でも先発濃厚だが、チャンスがそう何度もないことも分かっている。
「ピッチに立ってみないと、分からないことが多かった。次の試合ではプロセスを無駄にせず、少しずつ調節して、自分の長所を出したい。よりよくできたら結果は出る」
プロの世界は結果がすべて。苦労を重ねて手繰り寄せたチャンスを無駄にはできない。
(千葉担当 大林洋平)
2017/08/03 20:32